【先生の幸せ研究所】You tube
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教育委員会改革
【鑑文廃止】【学校訪問廃止】【研究指定校休止】、教育委員会活性化と学校の自立を実現した福岡県春日市教育委員会の取り組みのご紹介です。
参考資料は無料ダウンロードしていただけます。このページを訪れてくださったあなたが、まずはご自身の現場でこの知恵を活かしていただくことで、やがて日本中の学校が元気に幸せになるというビジョンを描いています。
あなたの周りに必要としている方がいらっしゃればどうぞお渡しください。
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一緒に日本中の学校を元気にしていただけたら幸いです。
参考資料をご覧いただけます
教師のゆとりによる良い影響は様々だ。
●『子どもが学校にいる時間』の教師のゆとりがあると、子どもをよく見てベストタイミングでの支援・指導ができる。
●『放課後』に教師のゆとりがあると、新しい教育創造のために時間を使える。
●『定時後』に教師にゆとりがあると、リフレッシュ・リラックス・自己研鑽ができて集中力・発想力・人間的魅力満タンでいられる
管理職から「教職員の一体感や自己有用感を高めた」と言っていただくこともある。
つまり、働き方を見直すとは、単なる残業削減ではない。仕事の質・教育の質・人生の質を上げるものである。学校における仕事の成果は子どもの成長だ。資本は教職員である。その教職員が心も体も元気に働けるようにするために、授業や校務分掌などあらゆる点において、
・優先順位を正しくつけて、必要なことに必要な時間を使えるようにすることだ
・授業や学級経営に自信をもち「これで大丈夫」とスッキリ帰れるようにすることだ
・無駄とり・効率化・チーム力UPをすることだ
・そしてこれらが定着する仕組みを作ることだ
●御校の働き方改革は残業削減だけを追い求めていないか?
やりがちなのは、会議短縮。会議に目を付けたのは良いのだが、ひたすら早口だったり、「事前配布しているから説明は省きます」となってもその資料が読みにくいのでよく理解できない上に質問もしにくい雰囲気だったりして、会議後に個別質問が増えて二度手間だとか理解不足で混乱が生じたとかいう相談をよく受ける。
これらは目先の時間を生むことにとらわれてしまった「仕事の質を落とす働き方改革」である。働き方改革を単に残業時間を削減するものだと短絡的にとらえるとそうなる。本質的に会議を見直すには提案資料のフォーマット・発言のルール・司会者のスキル・意思決定方法・そもそもの目的などを見直し検討していく。その結果として時間が生まれるのである。
●よくある誤解
よくワーク・ライフ・バランスと誤解されているのがワーク・ファミリー・バランスである。育児や介護などの事情がある人へだけ配慮することであり、ほとんどの学校で自然発生している。
例)残業が多い学年の担任は独身者や男性など時間制約がなさそうな人に偏っている
例)子育て中の人が早く帰れるように残れる人がいつもカバーする
これでは不公平感が蔓延していたり、残れる教員の善意に頼っているので配慮されながら帰る者は後ろめたい思いをしていたりすることが多い。学校にとって良いアイデアをもっているのに「いつも配慮してもらっているのにこれを言ってみんなの仕事を増やしてしまったらどうしよう」と言い控えている場合が多い。これでは学校教育の質を落とす。学校全体で働きやすさを実現することが必要だ。
なお、働く本人が望んでいてやりがいのあまり長時間在校したがっている場合はどうしたらいいのかをよく質問されるが、仕事の緊張や面白さによって、疲労は容易に隠されてしまうことがわかっている。(※1)管理者としては命を守る視点から絶対に野放しにしてはいけない。
●目指す姿:元気な学校3原則
ぜひ追い求めてほしいのは以下の3原則が叶った景色だ。
・教職員の やりがい(子どもの成長、自分と学校のパフォーマンスUPを感じられる)
・教職員の 働きやすさ(時間と心のゆとり)
・教職員の 私生活も含めた充実(リラックス・リフレッシュ・インプット)
●教職員の当事者意識と参画が鍵
読者のどの校長先生も「学校を元気にしたい」と考えているだろう。働き方を見直すことはそれを実現させることであるが、学校現場の働き方見直し支援してきた私の経験から言える、この業種においてもっとも効果的でリバウンドしにくい・・・・・・・・
②本物の働き方改革には教員の資質向上が伴う
研修以外で教員自身が「主体的、対話的で深い学び」を校内にいながら得られる方法
連携力・カリマネ・組織風土改革 etc.
(星槎大学教育実践年報2019)
学校における働き方改革を実現させる教員には共通する資質がある。
学校専門ワーク・ライフバランスコンサルタントとして多くの学校を支援する中でわかったことは、働き方改革を実現させる教員が共通して発揮する資質があり、その資質ははじめから備わっているわけではなく、改革に取り組む過程で高めることができるということである。そして、その資質は働き方改革のシーンだけにしか発揮できないものではなく、これからの新しい時代の教員に必要な資質である。
ここでは、私が学校コンサルティングの現場で見たことを元に、学校における働き方改革の目的と効果、学校現場の現状、改革過程で教員が成長する様子を踏まえながら、働き方改革と教員の資質について、現場へのエールを込めて考察する。
働き方改革と言っても実はいろいろな手法があるが、学校現場を数多く支援してきて実感するのは、教職員が学校内で「知恵を出し合う」タイプの働き方改革は、リバウンドしにくい上にコンサルタントがいなくても自走につながる方法だと言うことだ。知恵を出し合う働き方改革による効果で特に注目したいのは「働き方改革が教員の人材育成・資質向上になった」ということである。この働き方改革を通して育まれる教員の資質が、今後の教育創造に必要な教員の資質であると考える。
知恵を出し合う改革で教員の資質向上
知恵を出し合う働き方改革を経験した学校管理職は、「働き方改革で教員の学校経営参画意識が育った」と言った。また別の管理職は「働き方改革で教員の自己有用感が育って自ら動く教員が増えた」と言った。教員の高い視点と自主性が育ったということだ。
経営参画意識や自己有用感は、校長が「意識しなさい」と指示したところで身に付くものではない。経験を通して身に付くのである。これらの学校の働き方改革で共通の成果は、時間を生み出すことだけではなく、教員の資質も向上したことである。働き方改革が、図らずも人材育成になっているのだ。
これからの時代は、変化が激しく予測不可能だと言われる。そうした多様で複雑な社会では、誰かの正解が自分にとっての正解とは限らない。これまで当たり前だったことが、これからも当たり前であるとは全く限らない。
そんな未来を生きる子ども達には、前例にとらわれずに粘り強く試行錯誤して「より良い未来を作る力」が必要であり、学校にはそうした力を育む役割が期待される。
働き方改革で自らの学校をよくするために教員が発揮する力は、まさにこの「より良い未来を作る力」にあたる。
改革当事者になる教員たち
私が学校コンサルティングを依頼されて校内でまずすることは、できるだけ全員で働き方についての本音を話すことである。
その感想では、「今まで、もっとこうしたらいいのにと思っていたことはあったけど、人に話したことは初めてだった」「話し合ってみたら道が開けるかもしれないと思った」「自分だけじゃないとわかった」「言っていいんですね」「今まであきらめていたけど実際に学校が変わっていく可能性を感じた」という声が上がるが、これが、まさに評論家から「当事者」に変わり始めた瞬間だ。
この機を逃さずに出てきたアイデアを実行して「自分たちの声で学校が変わった」という実感がもてるようにする。そうした積み重ねで、はじめは小さな変化だった学校が大きな変化を成し遂げるようになる。
しかし・・・・・